住宅メーカーの営業が玄関で土下座して泣きだした話です。
今まで2軒の家に分かれて住んでいた家族が一緒に住む為に、
住宅を建て変えることになりました。
東京都に住んでいるため、
地震で壊れてしまうのと隣の家との間が狭いので、
火事になるのが怖かったので、
某大手の住宅メーカーで建てることになり、
耐震性に優れていて壁の材料も耐火性のあるものを使用することになりました。
とくにその某大手住宅メーカーは耐火性の壁に対して
ものすごく宣伝しており、実験の結果、
ここまで火に耐えましたなどという資料を見せられたことをよく覚えています。
何度もその某大手住宅メーカーの営業と打ち合わせをして、
少しずつ家のことを決めていきました。
打ち合わせはわれわれ家族がその会社に赴いて決めたこともありますし、
営業が家に来て決めたこともありました。
家の立て替えには半年近くかかりました。
家族みんなで新しい3階建ての家を建つのを楽しみにしていた時期でした。
もう少しでみんなで一緒に暮らせるねと思っていたところ、
その某大手住宅メーカーの不正が発覚しました。
耐震性には嘘はなかったのですが、耐火性のある壁の素材に嘘があったのです。
実験してここまで耐えられたというのが嘘だったと報道されました。
本当にちょうどうちの家で使っている壁の素材でした。
もう家はほぼ完成しているところだったので、うちはどうしようもない状態でした。
ずっと打合せをしてきた営業マンが家に説明しに来ました。
自分の親が建てたので私は後ろで黙って話を聞いていたのですが、
うちの親は怒るというよりかは途方に暮れている状態だったように思います。
営業マンの人は30歳くらいの男性でしたが、
うちの玄関で土下座をして泣き出しました。
「申し訳ありません」と言われましたが、
大きな買い物だし一生に一回だし本当に勘弁して欲しいと思いました。
誰も大きな声をあげなかったし、
逆にそれがその営業マンにとっては辛かったようです。
結局、資材を入れ替えるには完成した家を壊す必要があったのと、
これ以上引っ越しを先延ばし出来なかったので、
そのままその家に住むことになりました。
お金の面はどうなったからわかりませんが、
何かしらの取り引きはあったと思います。